はじめに

脂肪溶解注射は、体のラインを整えるためのメスを使わない（切らない）方法として、近年急速に人気が高まっています。この注射は、部分的についた脂肪を狙って分解し、落ちにくい脂肪の減少を助けます。脂肪が減って引き締まった見た目になるなど良い結果を得られる方が多い一方で、施術によって皮膚がたるむのではないかという不安もあります。

結論から言うと、脂肪溶解注射が原因で、場合によってはたるみが生じることがあります。ただし、これは必ず起こるわけではなく、施術の前後にいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、脂肪溶解注射がどのように働くのか、なぜたるみが起こり得るのか、そして何よりもそれを避ける方法について、分かりやすくご説明します。

脂肪溶解注射のしくみ

脂肪溶解注射には、一般的にデオキシコール酸のような成分が含まれます。デオキシコール酸は体内に自然に存在する胆汁酸の一種で、脂肪細胞を分解する働きがあります。注射した部位で脂肪細胞の膜を壊し、壊れた脂肪は体の自然な代謝・排出の仕組みによって処理されます。時間の経過とともに、治療部位の脂肪が目に見えて減少していきます。

最もよく知られている脂肪溶解治療はKybella（カイベラ）（デオキシコール酸のブランド名）ですが、ほかにも選択肢があります。脂肪溶解注射は、二重あごの治療に用いるあご下や、腹部、太もも、わき（腋の下）などに行われます。

脂肪溶解注射はたるみの原因になりますか？

よくあるご質問です。脂肪が減ると、特に皮膚の弾力が落ちている場合、皮膚が余ってたるむのではないかという不安があります。皮膚が薄い部位や、加齢などによりもともとハリが低下している部位では、この心配が強くなります。

たるみが起こりやすい主な理由は次のとおりです。

1. 脂肪が減るスピード

脂肪溶解注射は基本的に徐々に脂肪を減らしますが、必ずしも皮膚がその変化に追いつけるとは限りません。脂肪が急速に減る一方で皮膚が十分に引き締まらないと、たるみにつながることがあります。例えば、もともとゆるみやすいお腹や内ももなどでは、脂肪が減ることで「たるんだ」見た目になることがあります。短期間に過度な量の脂肪を減らすと、皮膚の「元に戻る力」が追いつかず、たるみを招く可能性があります。

2. 皮膚の弾力不足

皮膚の状態は大きく影響します。若い皮膚は弾力があり、脂肪減少後も元に戻りやすい傾向があります。一方、加齢や紫外線などの影響を受けた皮膚は反応が鈍く、脂肪が減った後にゆるみが目立つことがあります。例えば、腹部や太ももまわりは、体重減少や脂肪減少の後にたるみが出やすい部位です。

皮膚の弾力はコラーゲンやエラスチンに支えられていますが、これらは加齢や長年の紫外線曝露で自然に減少します。そのため、脂肪が減った後に皮膚が収縮して引き締まる力が弱くなります。すでにハリの低下がある方が脂肪溶解注射を検討する際は、より慎重な対応が必要になる場合があります。

3. 治療部位

身体の部位によって、たるみやすさは異なります。例えば、首もとやフェイスラインでは、脂肪が大きく減ると軽いたるみが出ることがあります。特に、その部位の皮膚にすでに弾力低下がある場合は注意が必要です。一方、腹部や太もものように皮膚が比較的厚く、下に筋肉量がある部位ではリスクが低めです。

あご下やフェイスラインの脂肪溶解治療は、二重あごの改善に有効ですが、脂肪が減った後に皮膚がうまく戻らないと、たるみが出る場合があります。首周りの皮膚は他の部位に比べて繊細で弾力も低めのため、このエリアの治療はとくに丁寧な配慮が必要です。

たるみのリスクを最小限にするには

多少のたるみが生じる可能性はありますが、リスクを減らし、仕上がりを良くするためにできることがあります。

1. 肌の引き締め治療を併用する

脂肪溶解注射後のたるみを避ける最も効果的な方法の一つは、注射に肌の引き締め治療を組み合わせることです。高周波治療やレーザーによる肌の若返り治療などは、コラーゲン産生を促して肌を引き締め、よりしっかりと収縮できるように助けます。PlanS Clinicでは、脂肪溶解注射にUltherapyのような治療を組み合わせることをよくおすすめしています。Ultherapyは集束超音波を用いて皮膚の深い層に働きかけ、コラーゲン産生を促し、脂肪減少後の肌の引き締まりを助けます。

高周波治療は、皮膚のより深い層にエネルギーを届け、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。これにより肌が引き締まるだけでなく、質感やハリも向上します。脂肪溶解注射と組み合わせることで、余った皮膚が出るリスクを避け、よりバランスの取れた結果が期待できます。

2. 脂肪は段階的に減らす

皮膚が伸びたり緩みすぎたりしないよう、脂肪溶解注射は焦らず行うことが大切です。少量ずつ、より段階的に施術することで、肌が変化に合わせやすく、ハリを保ちやすくなります。一度にすべての脂肪を取り除くのではなく、皮膚が適応しやすいよう慎重に進める方法をおすすめします。段階的に行うことで、肌が自然に引き締まる時間を確保できます。

慎重なアプローチは、肌の反応を見ながら進められるという点でも有用です。経過を確認し、必要に応じて調整がしやすくなります。特に首、わきの下、腹部などの部位では、こうした段階的な方法がたるみ予防により役立つことが多いです。

3. 肌の健康を保つ

施術の前後で肌の健康と十分な保湿を保つと、弾力が高まりやすくなります。コラーゲン産生を促す成分（レチノイドやヒアルロン酸など）を含む製品を使うと、肌の質感や引き締まりの改善に役立ちます。十分な水分摂取、バランスの良い食事、禁煙、そして過度な日光曝露を避けることも、肌の健康と弾力の維持に寄与します。

ペプチドや成長因子など、肌の再生を促す外用ケアも、肌全体の状態を整えるのに役立ちます。これらの製品は、脂肪溶解のプロセスからの回復力を高め、施術後の肌をよりなめらかで引き締まった状態に保つサポートをします。

4. 施術後のケア

脂肪溶解注射の後は、医師のアフターケアの指示をよく守りましょう。推奨がある場合は、施術部位に圧迫衣を着用すると、皮膚の収縮を助け、たるみのリスクを減らせます。定期的な運動で体を動かすことも、全体的な肌のトーンを高めるのに有効です。運動によって血行が促進され、健康的な肌づくりと、皮膚が内部の変化に適応するのを助けます。

また、施術後最初の数日は腫れや炎症を最小限に抑えるため、激しい運動は避けることが大切です。時間の経過とともに脂肪が分解されるにつれて、肌は徐々に順応していきますが、最良の結果のためには、焦らず適切なケアを続けることが重要です。

脂肪溶解注射はあなたに向いていますか？

脂肪溶解注射を検討しているものの、たるみが出ないか不安な方は、経験豊富な専門医による丁寧なカウンセリングを受けることが大切です。PlanS Clinicでは、Dr. Do Geon Gi率いる専門チームが、お一人おひとりの肌質や施術部位、ご希望を評価し、たるみなどのリスクを最小限に抑えるためのオーダーメイドの治療プランを作成します。

私たちは、患者さま一人ひとりが異なることを理解し、効果だけでなく、自然でなめらかな仕上がりを大切にしています。脂肪溶解注射は、少量で落ちにくい脂肪をピンポイントで減らしたい方に適している場合があります。ですが、皮膚のゆるみ（たるみ）が気になる方や、脂肪量が多い部位の場合には、脂肪吸引 や ボディコントゥアリング手術 といった代替治療を、切らない治療と組み合わせてご提案することがあります。

私たちのアプローチは、長期的な満足度と健康を何より重視し、あなたのニーズに最も適した治療だけをご提案します。

まとめ

脂肪溶解注射は、場合によってはたるみを生じることがあります。特に、脂肪の除去量が多い場合や、皮膚の弾力が低い場合です。ただし、適切なケアと段階的な施術、必要に応じて皮膚の引き締め治療を併用することで、たるみのリスクは最小限に抑えられます。脂肪溶解注射をご検討中の方には、PlanS Clinicが、お一人おひとりに合わせた施術プランで、できる限り良い結果につながるよう丁寧にご案内します。

脂肪溶解注射が理想のボディラインづくりに適しているか気になる方は、ぜひカウンセリングをご予約ください。たるみなどのリスクを抑えつつ、引き締まったメリハリのある仕上がりに近づくための最適な選択肢をご説明します。PlanS Clinicは、皆さまの美的ゴールに寄り添い、革新的でパーソナライズされたケアで、望む結果の実現をお手伝いします。